1
TOKYO
残り
-
0 / 25
同じ夢で目覚めた、なぜ今、また昔の男など現れる。眉や目でさえ覚えていない相手じゃ、はるか朧の月、曖昧模糊。そんな顔見て過ごしてた、妙な場面。夢は十中八九晴れ模様、清々しく。せいぜい願望を映し出しているようで、馬鹿に幸せそうにはしゃいでいたっけ。ああしんどいわ、頭の身冴えてる。どことも誰とも繋がらないこの命。ああ重いわ持て余した自我、急いで夢の途中に戻して、起きていたくない。微熱を帯びた瞼が居直ると、現の世界は荒れ模様、忌々しく。傘も携え用意周到だった。だのに濡れてる自分、不幸なんだって。まあしんどいよ、しとどになく足。どこへも誰へも続いてないこの道。まあ酷いよ。踏み外した過去。行けども帰れども責められて失せてしまいたい。そう当座凌ぎに必死の人生。悲しくてもう耐えられない。ねえせめて愛されてみたかった。一度でも。どんな最後迎えて死ぬんだろう。変わらず誰にも甘えずずっと一人なら、長いわ、たかが知れた未来。短く、切り上げて、消え去りたい、飲み込んで東京。
コメント(0)